はるかな旅: 岡上淑子作品集 [美術・建築・デザイン]
すばらしい、
あまりにも素晴らしいとしかいいようがないコラージュ作品集。
きれいだしおしゃれだし素敵だし
かと思えばとっても退廃的だったり
ゆうべ見た夢の一部のようでもあったり
『去年マリエンバートで』に通じる夢幻性もあったりして
そこに現出する独自の世界に私は幻惑される。
要するに、私の大好きなもの
それがここに詰まっている。
瀧口修造は、彼女の作品を評して「現代版不思議の国のアリス」と言ったそうだけれども
まあ、それはどうでもいいとして
こんなにも素晴らしいものが、1950年代のわずか数年で作られたということに
驚愕すると同時に、
久しぶりに、本当に素敵だと思える、宝物のような本に出会えたことが嬉しい。
それにしても、今日に至るまで、ほとんど世に知られることもなく
眠り続けていたということが、本当に残念だし、信じがたい。
なんか見たことあるような、と思って
『夜想』あたりをがさがさとあさってみたのだけれど
いっこうに見つからず。
(久々に、夜想を見たら、やっぱり、ここには私の大好きなものがつまっている、
と改めて思い、暫しこころ奪われた。
ウィーン幻想派、澁澤、種村、瀧口修造、四谷シモン、金子國義、
ボナ・ド・マンディアルグ。
夜想は私の教科書でもあり、未知なる世界への窓でもあり、
と同時に、私の内的世界そのもでもあり。。
要するに、私という人間の8割くらいは、夜想と澁澤の趣味からできている)
でも、発掘されて良かった。
しかも、ご本人も80歳を過ぎてお元気でいらっしゃる。
1928年生まれだから、澁澤龍彦と同い年。
ちなみに、こんなに素晴らしい作品と作家を知ったのは
読書メーターでのこと。
ちなみに、アマゾンでこの本のページを見ると
この商品を買った人はこんな商品も買っています 欄には
磯江毅 『深い眠り』
中井英夫 『ハネギウス一世の生活と意見』
美学文芸誌「エステティーク」Vol.2 特集:狂
金子 國義 『美貌帳』
倉橋由美子 『最後の祝宴』
などがあり
見事なまでに私好みなのでびっくりすると同時に
世の中には私と同じような趣味の持ち主が、意外といるんだなー、と
ほっとしたりもした。
また、以下の金井美恵子の
「ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ」
この表紙も、岡上さんの作品。
こんなに素敵な装丁をした人も、すごくいいセンスをしていると思う。
だって、読みたい、と思うし
この本素敵、と思うし
そういうワクワクするような経験が、良い本との出会いであり、
そして、このような宝物を見つけることができるということが
本の良さなんだなー、やっぱり。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309275611/
コレクション瀧口修造〈1〉幻想画家論・ヨーロッパ紀行 1958
- 作者: 滝口 修造
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 1991/04
- メディア: 単行本
2015-07-11 15:25
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