ゴシック名訳集成 [文学・思想]
先日、スマホで話しながら古本屋の前を通りかかったところ、
いきなり「日影丈吉」という字が目に飛び込んできた。
これは!と思って思わず足を止め、中身を確認したところ
読んだことのある作品が半分くらいある上に、1000円を超えていたので、
うーん どうしようかな、
と思ってその横を見ると、これまた目に飛び込んできたのが冒頭の2冊。
これ以外にも、いろいろと面白そうな本がたくさんあったので
私もテンションがあがってきて、
うーん どうしようと迷っていると、
店主の方が近づいてきて、
「値段もう少し下げられますよ」
とおっしゃる。
結局、この2冊を購入。占めて2650円。
収録された作品でまず目に飛び込んでくるのは、
ポーの「大鴉」。
ポー+ギュスターヴ・ドレ+ 日夏耿之介
っていう組み合わせ。
しかも、これ
英文も載っている。
英文を読むと、拍子抜けするくらいにシンプルだったりして、
日夏の訳がいかに超訳かってことがよくわかる。
実は私は日夏の訳文をちゃんと読むのはこれが初めてなんだけれど
あまりの仰々しさに驚愕した。
これは翻訳じゃないでしょ。
英文をネタに、勝手にイメージ広げて書いてるだけ。
こういうのは、美しいとか、文学的とかいうより、なんだか、
偏屈な頑固職人的な押し付けがましさみたいなものが感じられて、
あまり好きではないけれど
とはいえ、日本語というのは、こんなにも、視覚的に絢爛豪華たり得る言語なのか、
とうならされる。
西洋の言語には絶対に真似できない。
まあいずれにしても
東雅夫さんのよい仕事だと思います。
ところで、ルー・リードのアルバムで "Raven" というのがあって、
未聴だけど
タイトルはこれからとってるのかな。
まあ、そうなんだろうけど。
2016-05-29 23:30
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日夏だけじゃなくて、あのあたりの世代は
堀口大學とか上田敏とか、皆、超訳でしょ?
小説なんかだと
ストーリー変えちゃうこともあったらしいです。
RAVENはポーのコンセプト・アルバムです。
地味だけど悪くないと思います。
ただ今販売されてるのはCD1枚なのが残念。
最初は2枚組でした。
by lequiche (2016-05-31 00:51)