本日のお題:なにか新しいこと。 [ひとり妄想対話篇]
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新人OL A奈: どうしたんですか? 珍しく元気ないですね。
妙齢OL B美: なんか最近、自分の生活がぬるいの。。 なんか夢中になれることがないのよねぇ。。
新人OL A奈: よーするに、ヒマってことですか?
妙齢OL B美: ちがうわよ!なんか、ぬるいの。この世の全ての娯楽に飽きて、犯罪くらいしかやることがなくなった江戸川乱歩の小説の犯人みたいなかんじよ、どちらかといえば。
あとね、なにか自分が帰属している空間というか集団というか、そういうものがないな、ってことに気づいてしまったの。まあ振り返ってみればアタシは昔からよく、自分の居場所がない、と思いながら自分の世界に篭ってここまで暮らしてきたのだけれど、最近特に、そう思う。
家族とも離れて暮らしているし。職場も帰属意識が希薄だし。
こういうアイデンティティ不安定状態は精神衛生上よろしくないので、なんとかしたいところなのよねぇ。
新人OL A奈: 自分の好きなものの、なんかコミュニティみたいなものを探せばいいんじゃないでしょうか。M○xiとか。
妙齢OL B美: なるほどね。うーんでもm○xiはなんか抵抗あるんだよね。じゃあ、なにかアタシと好きなものが共通してる人に囲まれている自分を想像してみる。
新人OL A奈: でもフランス語の勉強は続けてるじゃないですか?
妙齢OL B美: うーん。 飽きてきた。正直。
フランス語の勉強だけでなくて、フランス好きな友達とかとさ、フランスのどこに旅行に行ったとか、フランス人ってこうだよねだのなんだの、そーゆーフランスの話をすることにも飽きてきたなー。
新人OL A奈: カメラとか写真とか。
妙齢OL B美: これは一人で楽しむことじゃない?あんまり写真について語りあったり、撮った写真を見せ合ったりするのは好きじゃないなあ。ましてや撮影旅行に行きましょうなんて言われたら、絶対断るよ。
新人OL A奈: ロック。
妙齢OL B美: ていうかさ、「私、ロック好きです」とか言ったりするのって、メチャクチャ恥ずかしくない? そんなのたとえばいきなり初対面の人に自己紹介がてら言われたら、確実に引くよ。
しかも、ロック好きな人と、居酒屋とかでロックの話ばかりするのって、結構苦痛。正直、あんまり盛り上がれない。とくに、ちょっとでも好みがズレると、メチャクチャ苦痛なのよね。ていうか、なんでロック好きな人って、みんな居酒屋に行きたがるんだろうね。不思議だわ。。 カフェ好きでロック好き、なんて人みたことないし。
新人OL A奈: ハァ。。 じゃ映画なんてのは。
妙齢OL B美: ひとことに映画好きといっても、ひとによって好みはバラバラなんで、たぶん趣味が合わないんじゃないの。アタシみたいに、仁義なき戦いとロシュフォールの恋人たちを同時に愛せるような人がいるとは思えないしなあ。
新人OL A奈: ゴシックは?
妙齢OL B美: うっ。。 まあ好きなんだけど、あんまりはまりすぎないほうが。。 アタシはゴシック建築とバウハウスぐらいにしておくよ。
新人OL A奈: えーと。。 心理学はどうでしょ。
妙齢OL B美: そーね。。 たとえば、何か異常な犯罪が起きたら、みんなで犯人の人格分析をしてみたりとか。
でも、カウンセリング系はちょっときついかな。”愛”とか"癒し”とか"共感”とか言われると、ちょっと。。
ミシェル・フーコーとかビンスワンガーとかのほうがいいかも。難解だけど、知的で面白い人に出会えそうね。
ユングとかだとちょっと神話とかオカルトとかも入ってきて、それはそれでおもしろい。ちょっと秘密結社っぽいかもね。
ん? そうか、秘密結社だ! これはグッドアイデアかもー。江戸川乱歩の「赤い部屋」に出てくるみたいなさあ、なんかいい秘密結社知らない?入社したーい。
新人OL A奈: 知ってるわけないじゃないですか。。 澁澤龍彦の『秘密結社の手帖』でも読んで下さいよ。
妙齢OL B美: まーそおよねぇ。 でも何か新しいことを始めたほうがいいかもしれないなあ。
でもさ、なんか、共通の趣味があって、あれいいよね、これいいよねみたいなこと言っててもヌルいだけだからさー、もっと意見をぶつからせたり激しく議論したりするほうが、スリリングでいいんだけどー。でも、それって何?そんなのある?
新人OL A奈: なんでしょうね。。 大学のディベートサークルとかでしょうか。。
妙齢OL B美: 大学に社会人入試で入ってみるとか?
うーん。。 悩む。 やっぱり秘密結社しかないと思うけどなー。
あーなんか自分がただの変わり者に思えてきた。へこむわ。。
まあでもこんなアホなこと言っていられるってのは、幸せってことだよね。むしろ感謝しなくちゃ。世の中には、借金で首がまわらない人とか、毎日生きていくだけでせいいっぱいって人だってたくさんいるんだから。
というわけで結論は持ち越し!
Myth and Romance: The Art of J.W. Waterhouse (Phaidon Miniature Editions)
- 作者: John William Waterhouse
- 出版社/メーカー: Phaidon Inc Ltd
- 発売日: 1994/10
- メディア: ペーパーバック
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