フランス語でMODE [フランス]
5月は本当に、美しい季節だ。
毎年思うことだけれど。
さて一ヶ月ほど前から、フランス語の勉強をはじめた。
ていうか数年振りに再開した。
朝30分早起きして勉強している。
いわゆる朝活てやつ。
仮定法の作り方とか、
conditionel と subjonctif の活用をすっかり忘れてしまっていて焦る。
先日、いつものように勉強をしていたら、テキストに
le mode と書いてあったので、これは誤植かな、と
だって a la mode というように、modeは女性名詞だよね、
と思ってたら、
また先日、le mode de vie と、男性名詞になっているのを見かけたので、
どちらが正しいのか調べてみた。
そしたらなんと、男でもあり、女でもあるというので、驚いた。
http://trilingual.hatenablog.com/entry/2016/04/13/053805
状況によって、男にもなれば女にもなるなんて、面白い。
言葉というものが生き物のように、自在にその性を変えるイメージが、
私に一編の幻想文学的なイメージを想像させ、なんだかテンションが上がった。
書物という物理的な現実空間であると同時に非現実をも提供する空間の中で
性を自在に変えながらうごめいている生き物。
この生き物に、我々人間は情報を与えられたり、騙されたりする。
m o d e という、4文字のアルファベットから成るだけの無味乾燥なこの言葉が
急にいきいきとしたイメージにあふれてきた。
これだから言葉というのは面白い。
澁澤の『ドラコニア綺譚集』に、文字が本を食べてしまうんだったか、
文字を食べてしまう虫だったか、そんな話が載っていたのを思い出したりも。
言霊ということばもあるように、
言葉はただの記号ではなく、意味・意志・目的があり
道具であると同時に、呪術でもあり、オブジェ、美でもある。
人を狂気に陥れることもできる。
地球上には様々な人種・民族がいるが、言語を持たない民族はいない。
はじめにことばありき。
言葉がなければ人間ではないのである。
...まあ、modeが男性名詞か女性名詞かくらいで、
ちょっとおおげさ、だけど。
澁澤龍彦全集〈19〉 ドラコニア綺譚集,ねむり姫,三島由紀夫おぼえがき,補遺1983年
- 作者: 澁澤 龍彦
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1994/12
- メディア: 単行本
2016-05-24 22:00
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