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大都会 闘いの日々 [映画・芸能]

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先日、初めて、石原プロの刑事ドラマ、『大都会 闘いの日々』を観た。

昭和の刑事ドラマと時代劇が大好物な私は、
たいていのものは観ているのだけれど、これは見たことがなかった。

テレビで再放送もしていないし、ツタヤなどでDVD が置いてあるのも見たことないし
観る機会がなかった、というのもあるけれど
裕次郎+渡哲也のダブル主演、というだけで、

西部警察とか太陽にほえろとなにが違うの?という疑問が先行してしまい、
しかも石原プロ作品はさんざん見てたし、若干食傷気味だったので、
あまり見る気がしなかった。

ところが先日、BS11で放送されているのを偶然知って、
なんとなくみてみた。


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で、観て驚いた。

いわゆる石原プロ作品とは全く雰囲気が違う。
派手なアクションもなければ銃撃戦もなく、
車やバイクが転がりまわったり、装甲車やヘリが登場することもない。

時系列も前後したり、突然終わったりとか
事件の内容もよくわからなかったりとか
ちょっと複雑な演出だったり、話も凝っていて、実験的にすら感じる。

ふつう、刑事ドラマといえば、事件が起きる→ 捜査→ 犯人を追い詰める
→ 犯人逮捕 → めでたしめでたし

というパターンを踏襲しているものだけど、そのフォーマットに則っていないどころか
なんのカタルシスもなければ、救いもない、という
ある意味かなり文学的とすら思わせる作品ばかり。

また、登場人物の造形もよくできていて、
ああ、こういう人いるよね、みたいなかんじでリアリティがあるし
(特に、伴淳三郎とかいい味だしすぎ)

ふとした瞬間に、奇妙な透明感というか静謐感のようなものが漂う瞬間があって
なんとも不思議な空気感もある。

ストーリー的にもさほど面白いというわけでもないのに、
ぐいぐいと引き込まれ、目が離せない。
これはやはり、演出の妙によるものかと。

よく見たら、監督は村川透。なんか納得。
ここで優作と出会った彼は、のちに『最も危険な遊戯』、『野獣死すべし』などを手がけることになるわけね。


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そして脚本は倉本聰。
これは驚いた。

『北の国から』、『前略おふくろ様』などで有名な倉本聰が、
まさか刑事ものの脚本を書いていたとは。

村川透と倉本聰が組むと、こういうものができるのか、
という私の中では新しい発見。


しかしなんといっても、出演者が素晴らしい。

裕次郎+渡哲也はもちろん、宍戸錠、高品格、佐藤慶、さらには篠ひろこ、
そしてゲストだけど優作、伴淳三郎、志賀勝、川谷拓三、、と、
あまりにもいい役者がそろっているのだから、つまらないわけがない。

それにしても、、 渡哲也扮する主人公の黒岩は、眼力が凄すぎる。

その気迫というか、殺気というか、とにかく尋常じゃない。
彼が登場するだけで、画面に緊張感がはりつめまくり。
役者・渡哲也の凄みを改めて再認識。

でもその一方で、ひっきりなしに煙草を吸うわ、
ちょっとしたことでキレて妹を殴るわで、かなり放送的に不適切なかんじなので
まーこれは地上波で再放送は無理かと。

逆に、高品格などの共演者がほんとにいい味をだしていて、いいかんじに中和しているというか。
裕次郎も、どちらかといえば西部警察の小暮を更に軽くした感じで、
余裕のあるオトナ的ないいキャラ。 こういうの好きだなー。


でも、こんなに素晴らしい作品なのに、当時は視聴率が低迷。
その後路線を変えて派手なアクションを取り入れることでPARTⅡとして再スタート、
高視聴率となり、のちの西部警察のベースとなった模様。

そういえば、勝新主演の傑作「警視K」も(やっと2014年にDVD化された模様)、
あんなに素晴らしい作品なのに、平均視聴率は5.4%と、
ゴールデン枠としては最低級の数字だったらしく


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うーん 警視Kといい大都会といい、
良質な刑事ドラマは悉く不評だったんだなー。

今は、さすがにちゃんと評価されるていると思うのだけど、
暴力表現とか、いろいろあって、たぶん再放送とか無理だし、
結局、知る人ぞ知る存在でしかなく、いつしかDVDも廃盤になって、
忘れられていくのかなー。

断固としてそういった状態は阻止しなくては。


良質な刑事ドラマが作られなくなった現在、
これは屈指の名作として、日本のテレビドラマ史にしっかりと刻み込まれるべき作品。


ちなみに、音楽もかっこいい。




「大都会‐闘いの日々‐」MUSIC FILE

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  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 1995/02/01
  • メディア: CD



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