古代日本 騎馬民族征服説 [言語・記号]
先日、『日本語の歴史 1 民族のことばの誕生』 を読んでいて、びっくりした。
古代日本は、大陸の騎馬民族に征服され、
大和朝廷は、彼らによって成立したものだ、というのである。
こんな話は、聞いたことがないし、学校でも習った覚えがないけど
(それは学会で承認されてないから、らしい)、検索してみたら、結構出てきた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A8%8E%E9%A6%AC%E6%B0%91%E6%97%8F%E5%BE%81%E6%9C%8D%E7%8E%8B%E6%9C%9D%E8%AA%AC
http://inoues.net/mystery/kibaminzoku.html
http://blog.livedoor.jp/nakasugi_h/archives/55533674.html
http://homepage2.nifty.com/bu-ra-ri/kamisama.htm
私はあまり古代史には詳しくないけど
考えてみれば、天孫降臨でニニギノミコトが降りてきた、という神話は
外来の征服者が日本にやってきた、という歴史的事実を語っているとも考えられるわけで
じゃあ、それって誰なの?ということは、今まで考えたことがなかったし
今まで読んだ本などにも、書かれていなかった気がする。
それを、大陸からの征服者がやってきて、日本は彼らによって征服された、
と考えると、確かに納得。
また、古墳時代を前期と後期に分けると、前期は、副葬品が鏡とか玉とか、
いわゆる呪術的要素の強いものが多いらしいのだけれど、
後期になると、馬具・武具といった実用品から、武人を象った埴輪などといったように、
騎馬民族の墓ででもあるかのように、急激に変化しているとのこと。
農耕民族だった日本人が、それまでの習慣を捨て去って、わずか100年かそこらで、
このような騎馬民族的な生活習慣に変化していったとは、考えにくい。
しかし、この時代に、日本に騎馬民族が入ってきて、日本を征服し、
これらの墓はその征服者のものである、と考えると、これも納得がいく。
これは、『日本語の歴史』の著者がいっていることではなくて、
東洋史学者の江上波夫が戦後に打ち立てた説なのだけれども
その他、いろんな根拠を見ても、確かに納得できることばかり。
ただ、今日では、この説は否定されつつあるとのこと。
(そこには、自らのルーツが大陸にあるということを認めたくない、とする、国粋的とも言える感情がなくもないようだけれど。。 それはここでは措くとして)
うーん とても面白い。。
この説、あたってるんじゃない?
なんか、こういう話を聞くと、ミョーに興奮するのはなんでだろ?
と、ここでひとつの疑問に思い当たった。
それは、言葉。
もし、本当に騎馬民族が日本を征服したのだとしたら、現代の日本語は、
彼らの言葉そのものか、それをベースとして変化したもの、のはず。
つまり、そうであれば当然、日本語はアルタイ語族になっているはずだと思うのだけど
しかし現在では、日本語をアルタイ語族とする見解は、否定されているらしく
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90#.E3.82.A2.E3.83.AB.E3.82.BF.E3.82.A4.E8.AA.9E.E6.97.8F.E8.AA.AC
即ちツングース系と日本語とは全く異なる言語であるというわけで、ということは、
ツングース系による征服がなされたとは考えにくい、ということになる。
それどころか、日本語がどの語族にも属さないのだとすれば、
ツングースに限らず、日本がその歴史において、他民族に征服された経験を持つ可能性は極めて低いということになるのではないか、と思うんだけど。
通常、どんな民族でも、どこかを支配したら、そこに自らの言語を強制するはず。
例えば、古代ローマがヨーロッパ中に進出した結果、彼らのボキャブラリーが、
それぞれのローカル言語の中に残っているように。
或いは、支配層と公用語には彼らの言語が使用され、
庶民の間には彼らの言語が残存する、という、わりと世界的に見られる状況になることもあるだろうけど、日本語の歴史には、そのような形跡は見られるんだろーか。聞いたことないなぁ。
或いは、被支配者の懐柔を狙って、支配者層が被支配者階級の言語を取り入れ、
自らの言葉を捨ててしまったとか。
いや、そんな話は世界史上で聞いたことがないし、まずありえないと思うけど。
と、そのへんが知りたいんだけど、、
日本を征服した騎馬民族の言語と日本語の関係については、ここではふれられていない。
まあ、もっと先まで読み進めば、書いてあるかもしれないけど。。
(なにぶんにも、そーとー分厚くて。。)
まあとにかく、日本語の起源については、専門家の間でも諸説入り乱れているわけだし、
とりあえずは今後ゆっくりこれを読みながら考えるとして、
現時点でいちばん気になるのは、騎馬民族によって征服されたのでなければ、
古墳時代における、急激な騎馬民族化は、いったい何によるものなのか、
そして、天孫降臨神話は、なにを語っているのか、
といったところ。
うーん 謎は深まる一方。。
気になる。。
こちらは外来征服説に対する否定論。
http://yomimonoweb.jp/sekiyuji/p5_1.html
上で引用したこちらも、よく読んだら否定意見も合わせて述べられていた。
2012-12-09 18:21
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