仏教+量子力学 [奇想・妄想]
通常、仏教に関する著作では全くふれられていないことなのだけれども、
私が仏教について、前々から興味がある部分は、量子力学との共通点。
般若心経にある「色即是空、空即是色」は、量子力学でいう「粒子と波動の二重性」と
通じるものがあるわけです。
すべての物質やエネルギーは、粒子的な性質と波動的な性質の両方を持つ、
つまり「有る」と「無い」とが同時に矛盾なく両立してしまう、
ということで、一瞬なんだかわけがわかりませんが、
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「アレフ」を読むと、それが、感覚的にわかります。
宗教とは真逆であるはずの、最先端の科学をつきつめていくと、
限りなく宗教に近づくという、この逆説。。
そのへんのことは、ソニーでCD開発などを手がけた天外伺朗さんの
こちらにも書いてあるのですが
ここまで来た「あの世」の科学―魂、輪廻転生、宇宙のしくみを解明する (祥伝社黄金文庫)
- 作者: 天外 伺朗
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2005/07
- メディア: 文庫
通常、いわゆるニュートン物理学では、
位置と速度がわかれば次の瞬間、或いは何秒後の位置と速度が計算式で
出せるのですけれども、
物質をひたすら小さい単位にしていって、電子までいくと、
この計算式が通用せず、ではどうやって何秒後かの位置と速度を計算するのかといえば、
それは確率論の世界になる。
これがいわゆる量子力学の基本的な考え方なのですが(たぶん)
これに例えばアインシュタインなんかは強硬に反対し、
「神はダイスを振ったりしない」などと言ったりしているわけですが、
結局量子力学の方が正しいことがのちに証明されてしまうと。
まあこんなようなことなのですが、
かといって
そのような量子力学的な世界構造が、即ち「あの世」である、と言い切るのは、
飛躍なんじゃないかな、と。
「あの世」は、このような量子力学的な構造に似ているのかもしれない、
だとか、たとえ話として、「あの世」を量子力学的に考えるとわかりやすい、
というのであれば、まあ、いいと思うんですが
彼は、あたかも「あの世」を「科学的」に解き明かしたとでも言わんばかりなんですね。
それが胡散臭い。。
とは言いながらも、興味は尽きないんですが、
そもそもこの手の情報、サイト、書籍というのはトンデモ系が多いようで、
文系で、科学、特に物理学にはド素人の私には見分けがつきにくく、
注意が必要。
科学的間違いを笑うためには、科学的知識が必要だ。非常識な考えを笑うためには、常識が必要だ。無知で非常識な人間は、トンデモ本を読んでも笑うことはできない。
(山本弘 『トンデモ本の世界』)
ちなみに、冒頭の画像はE.YAZAWAのGOLD RUSHですが、
これは以下の空也上人像にインスパイアされたものではないか、
とはみうらじゅん氏の指摘。
ちなみにこれは、六波羅蜜寺で入手可能な絵ハガキ。
空也上人、最高にいかしてます。
空也上人の口から出ている像は、
空也上人の唱える念仏、”南無阿弥陀仏” の6文字が、
そのまま6体の阿弥陀仏となって現れているというものです。
即ち、”言霊” を写実的に表現したものだと言われていますが
その発想自体が、イマジネーションに満ちていてすばらしい。
2011-07-17 14:13
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