世紀末の悪鬼 [奇想・妄想]
「君や僕は悪鬼につかれているんだね。世紀末の悪鬼と云うやつにねえ。」
この友達は声をひそめながら、こんなことを彼に話したりした。が、それから二三日後には或温泉宿へ出かける途中、薔薇の花さえ食っていたということだった。
彼はすっかり疲れ切った揚句、ふとラディゲの臨終の言葉を読み、もう一度神々の笑い声を感じた。それは「神の兵卒は己をつかまえに来る」という言葉だった。
(芥川龍之介 「或阿呆の一生」)
Paul Delvaux: Odyssey of a Dream
- 作者:
- 出版社/メーカー: Exhibitions Intl
- 発売日: 2007/11/30
- メディア: ペーパーバック
Paul Delvaux, Hommage à Jules Verne
1971
2011-11-06 20:10
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