感謝はむずかしい [文学・思想]
シオンのアルバム『好きな時に跳べ!』 を最近久々に聴いて
「足りない数ばかり数えてる」 という曲の歌詞が、とても印象に残りました。
死にそうになるまでは、生きいてることを忘れていて、
生きていることに感謝することを忘れ
並みの暮らしに満足できず
並みの暮らしができていることに感謝することを忘れ
うれしいのが当たり前で、それに感謝することを忘れ
要するに、自分がどれだけ幸せかがわかっていなくて、
自分が幸福であることに感謝することもせず
自分に足りないものばかり数えてる、
そういった内容の歌詞です。
なんかじーんとくるものがありました。
これと同じようなことは、もちろん美輪明宏先生や江原先生なども
言っておられるわけですが
確かに、自分が幸福であることを自覚することは、
病気になってはじめて健康のありがたみがわかるのと同じで
なかなか気づかないことであって
ましてやそれに感謝することは、
ほんとうにむずかしい。
ふだんどうしても忘れがちなことです。
以前にも書いたことがありますが
アンドレ・ジイドの『新しき糧』にも同じようなことが書かれています。
悲しみの終わりの歓喜が、何故、歓喜の終わりの悲しみほど大きくないのだろうか?その理由は、悲しみのうちにある時、君はその悲しみのために失われる君の幸福を思うが、幸福のうちにある時、君は自分がその幸福のゆえに免れた苦痛を思うことが全然無いからだ。
人には、各自の感覚と心臓の支えうる度合いに従って、一定量の幸福が割り当てられている。(中略)
生きている今、あらゆるものが自分の当然の分け前だという気がする。それと同時に感謝の気持ちは楽しく、また愛することが僕にとっては深い当然な楽しさなので、ちょっとした風の愛撫までが、僕の心に感謝の気持ちを湧かせる。この感謝の気持ちの必要が、僕に自分を幸福にするものは悉くこれを為せと教えてくれる。
(アンドレ・ジイド 『新しき糧』)
これはまた後日書こうと思っていますが、
アランの幸福論を紹介していたNHK教育の「100分 de 名著」、
これにも結構感動しました。
http://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/07_bonheur/index.html
幸せとか不幸とかいうものについて考えてばかりいる
今日この頃です。。
人間 この未知なるもの―人間とは、いかなるものか何が人生の原動力になるのか
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Corregio, Madonna con il Bambino e san Giovannino
1516, Museo del Prado, Madrid
2011-11-25 21:07
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