進化心理学+人間理解 [心理・犯罪]
私が今いちばん興味があるもの、それが Evolutionary Psychology、
即ち進化心理学。
そもそも、先日の記事にも書いたように、人間とその歴史を、その「進化」という視点から眺めてみたら面白いのではないか、
と思い、先月、いろいろ調べているうちに、これを初めて知りました。
従来の心理学に加え、人間の進化の知識・視点を導入し、人間行動を研究する、
という分野で、
人類学、進化生物学、認知科学、脳神経科学、ミーム学、ゲーム理論、、などなど
いろんなジャンルを巻き込んだ学問。
http://plato.stanford.edu/entries/evolutionary-psychology/
http://www4.ocn.ne.jp/~murakou/evolution.htm
心も進化の過程で形成されてきたという立場から、人間の心理とその構造を考察する
その視点が新鮮で、非常に面白い。 その手があったか、と。
でも、私は学生時代、専攻が心理学だったので、心理学関係は一通り知っているはずなのに
どうして今まで知らなかったのだろう?とも思って調べてみると
進化心理学というのは、80年代から出てきた学問分野で、
当初は「社会生物学」と称された流れが、上に挙げた様々な分野の研究成果を盛り込みつつ、
ここ10年くらいで急速に発展してきた、かなり新しい学問とのこと。
道理で知らないわけだ。。
認知心理学は、学生の頃少し勉強しましたが
これもここ10年くらいで、脳神経科学と結びつきを強めながら急速に発展しているようで
私が知っている認知心理学とはずいぶん違ったものになってる模様。
やはり専門で勉強したことは、常に動向をFollowし続けなければ、と反省。
いろいろと情報をあさっている中で読んだ、この本がまず良かったのです。
人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か (上) (NHKブックス)
- 作者: スティーブン・ピンカー
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2004/08/31
- メディア: 単行本
これは要するに、20世紀中頃以降の従来の心理学のように、
人間をタブラ・ラサと考え、遺伝的な要素、
つまり人間が生まれつき持っている性格傾向や能力といったものを
ほとんど考慮しない人間理解というものに対して真っ向から反対し
そもそも人間の心というのは遺伝的にこういうものなのだ、という論を
最新の脳神経科学的・認知科学的な知見を中心に展開するあたり
非常にスリリングで、面白い。
確かにアメリカを中心として発展した行動主義心理学には、
私もかなり解せないものがあって、ぜんぜん好きではなかったなぁ。
私はむしろ、人間の無意識とか、ユングのいう集合的無意識なんかに
すごく魅力を感じていた。
ところで、進化心理学に関する書籍は、
調べると、いくらでも出てくるのです。
進化心理学だけでなく、進化論など、進化というもの自体にとても興味があるのだけれど、
きりがないので、このへんで。
冒頭の写真は、品川の高輪プリンスにて。
2012-01-12 19:34
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