Depression＋Communication

以下、先日インド人の友人との間で交わされた会話。


友人 : 日本ではみんなとてもルールを守るし、Disciplineもあって、politeで、素晴らしいと思います。われわれインド人も見習いたいです。

私 : でも、そういったruleやDisciplineが日本人を縛り、それが大きなストレスになっているのも事実です。
日本ではDepressionに苦しむ人が多いのですが、もしかしたらそれが原因のひとつかもしれません。私から見ると、インド人はとてもfreeでrelaxedだなあと思えます。

友人 : 確かにインド人はrelaxしていますね。ストレスは少ないと思います。
RuleやDisciplineがストレスになることはあるかもしれませんが、しかしDepressionの原因になるとは思えません。
たとえば、現在の日本では、一人暮らしの人が多いですね。彼らは、仕事が終わって家に帰ったら、何をしているのでしょうか。

私 : 何でしょうね。。　ゲームやったり、ネットでもやってるんじゃないでしょうかね。

友人 : 例えば、100年前、我々の生活はどうだったでしょう。Video game もパソコンもありませんよ。じゃあ、なにをしていたんでしょう。家族としゃべっていたんですよ。
家族との会話が失われてしまったことが、depressionの原因ではないでしょうか。家族でなくても友人でもいい、とにかく人間はコミュニケーションをすることで生きてきたのです。
それが本来の人間というものです。



なぜかむしょうに、グッときた。




ところで、インドでは、一般的に携帯のマナーが悪い。
特にひどいのが、飛行機の中に乗り込んでからも、離陸ぎりぎりまでしゃべっていたり、
着陸してシートベルトサインが消えた途端に携帯の電源をいれ、
しゃべり始める人がすごく多い、ということ。

これを目にするたびに、カチンとくるというか、ほんとにインド人はマナーがなってないなぁ、
ひどいなぁ、と思っていたのだけれど、
最近、それは違うんじゃないかという気がしてきた。

つまり、携帯のマナーというものに対する考え方の違いだと思う。

日本では、電車の中など、いわゆるPublic Spaceで携帯で話すこととか、
会議中にかかってきた電話に出るのは、マナー違反とされる。

でもインド人はそれを気にしない。
仕事で打ち合わせ中でも、会話中でも、携帯に電話がかかってくれば、それに出る。
しかも、着メロは常に爆音だ。

でも誰もそれを気にしないのであれば（少しは気にする人もいるんだろうけど）、
それはマナー違反とはならない。
つまり、日本人から見たら、マナーが悪い、ということだけど、
インドではそれはマナーが悪いと見なされないのだから、
少なくとも、外国人である私にはそれをとやかく言う権利はないのである。


インド人は本当に携帯が好きだ。というか、四六時中携帯でしゃべっている。
携帯が好きという意味では日本人も同じだろうけど、
通話よりも、メールが多いし、あとは何しているかしらないけど、とにかくいじってる人が多い。
それは、好き嫌いというより、依存症に近いものを感じる。

インド人は街中でも空港でも、いたるところで、携帯でしゃべってる。
空港で、Boardingを待っている間、ずーっとハンズフリーでしゃべってる人をみたこともある。

英語だったら何をしゃべってるかわかるけど、仕事がらみの話が多いみたい。
現地語だと、どんな会話をしているかわからないけれど、
友人か家族と話しているんだろうな、たぶん。

考えてみたら、それだけ話し相手が多いということであるわけで、
それって、結構幸せなんじゃないか、とも思う。

私はといえば、家族や友人と携帯で会話することは、まずない。
そもそも、なにか急な連絡以外に、携帯で話すことはない。

こんな私のような状態と、四六時中いろんな人としゃべってコミュニケーションをしているインド人と、
どちらが幸せで、人間らしいんだろう。



そんなことを考えていた、ここ数日だったのだけれど

昨日、数年前に大きな仕事をしたお客さんのところにいった。
ここはとても大きい会社で、私がアサインされたそのプロジェクトにも、
何十人という人々がかかわっていた。

結構久々なので、私が知っている人は移動してしまったかも、とか
私のことなんて忘れてしまったかも、なんて思っていたのだけれど
行ってみたら、たくさんの人に、久しぶりー、とか、元気、とか、声をかけていただいた。

なんか、とても幸せな気持ちになった。

なんてことのないことなんだけれど、こういうことって実は、
本当にありがたいことなんじゃないか、
そう思った。