自殺 x 事故死 x 憑依 [心理・犯罪]
自殺者数が年間3万人を越えて久しい。
98年以降、自殺者は一気に増えて、3万人を越えるのだけれど
確かにあの頃は、長引く不況に、終身雇用制が崩れ、
リストラで解雇される中高年の人たちが急激に増え始めたので
かなり精神的にダメージを受けた人がそれだけ多かったのだろうと思う。
本当に気の毒な話だと思う。
あと、すっかり忘れていたのだけれど、この年、ネット経由の自殺幇助的な
いわゆるドクター・キリコ事件が起きて、大騒ぎになっていた。
調べてみたら、これが発覚したのは98年の12月12日というから、なんと15年前の今日。
偶然にしては偶然すぎる。 またしても、シンクロニシティ。
(ちなみに、一昨日の 12月10日は、中井英夫の命日で、
昨日12月11日は、加賀 まりこさんの誕生日。かんけいないけど)
当時は、宮台氏の、要するに、人生なんて生きる意味がない、みたいな発言が
かなり波紋を呼んでいたりもして、その影響もかなりあったと思う。
かといって別に、彼の責任を追及すべきなんてことは思わないけれど。
考えてみれば、97年~98年というのは、たいへんな時期だった。
当時はあまり実感がなかったけど、いま振り返ると、まさに世紀末だったなぁ、と思う。
ところで、年に3万人という数字は、随分多いなぁ、と思ってしまうけれど、
自殺対策支援センターのサイトにもあるように、ここで注意しなければいけないのは、
この数字はあくまでも自殺に「成功した人」の数であるということ、
つまり、自殺未遂はそこには含まれていないということであり、
自殺を図った人の数は、それを遥かに凌ぐ、ということである。
<自殺対策支援センター ライフリンク>
http://www.lifelink.or.jp/hp/realities.html
言われてみればそのとおりなのだけれど、
未遂者の数、というのは今まで考えたことがなかった気がする。
自殺未遂者の正確な数字をつかむのは無理だけれども、
自殺で亡くなった人(自殺未遂に対して自殺既遂)の10倍以上いると推定されている。
だとすれば、ここ日本では、推定年間30万人以上、つまり
毎日、1000人近くが、自殺をはかっている、ということ。
これはやはり、尋常ではない、と思う。
先日なんとなく手に取った『自殺-生き残りの証言』(矢貫隆)は、
自殺をはかって未遂に終わった人たちへのインタビューをまとめた本だけれども、
予想以上に興味深いことが書かれていて、とても考えさせられた。
作者は、自殺未遂者へのアプローチのため、救急医療センターで取材を行う。
そこには毎日、自殺を図った人や、交通事故・転落事故等で
大怪我を負った救急患者が運ばれてくるのだけれど、
そこでの治療もむなしく、亡くなってしまうのは、なんと、自殺を図った人よりも、
事故に遭った人の方が多いとのこと。
自ら死を選んだ人が助かって、死ぬなんて考えてもいなかった人が、
事故であっさり死んでしまうという、このなんという皮肉。。 驚いた。
なんともやるせない気持ちがする。
ちょっと長くなりそうなので、続きは後日。
終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫)
- 作者: 宮台 真司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
2013-12-12 08:53
nice!(1)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0