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ほめるのではない。 [心理・犯罪]

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たとえば、夕食を用意します。家族が帰ってきて、夕食を一口、口にして「おいしいね。お前もやればできるではないか。すごいね。よくできました」といわれたら、普通の言語感覚を持っている人ならあまり愉快ではない、と思うでしょう。
(岸見一郎 『アドラー心理学入門』)



ほめられれば、誰でもうれしいものだと思っていた私は、
これを読んで、ハッとさせられた。

これは、どういうことなのだろう。

すなわち、


まさにこれこそが「ほめる」ということです。ほめるというのは、能力のある人が能力のない人に、あなたは<よい>と上から下へと相手を判断し評価する言葉ですから、下に置かれた人は愉快ではないのです。
(岸見一郎 『アドラー心理学入門』)



ほめるという行為によって、ほめる人とほめられる人との間に上下関係が生じる
ということは、考えてもみなかったので、勉強になった。

自分も、誰からほめられようが、ほめられればうれしかったような気がするけれど
それはあまりにも無邪気だったということか。


何ヶ月か前に、5時夢で中瀬親方が紹介していた『嫌われる勇気』が、
けっこう売れているらしい、
ということを、最近ツタヤでかなり推されているのを見て知った。

そして、その作者がアドラー心理学者の岸見一郎さんだったことを知り、
なんと、日本でもついに、アドラー心理学がここまで注目されるようになってきたか、と。

なんと、Amazonで見てみたら、6/13 現在、ビジネス実用本、自己啓発、倫理学入門、
の3部門で1位、トータルでも2位!

大人気じゃないですか。

で、自分もアドラー心理学を復習する意味でも、彼の本を読み返してみた。

まあ、アドラー心理学については割愛するけれども
これを知ることで、自分というもの、或いは自分を動かしているようなものを、
より深く理解することができ、
自分の行動を反省し、改めようという気になるのは、間違いないと思う。

ただ、これは仕方のないことかもしれないけれど、
アドラー関連書籍が自己啓発本的な読まれ方をしているようで、残念だな、とも思う。

あくまでも、こういう考え方もできるよ、ということなので
アドラー心理学を絶対化するのもどうかと思うけど。

心理学というのは、うーん なるほどー、とうならされることが多いんだけど、
それはあくまでも仮説であって、それが正しいことを証明することは殆どできないし

人間というのは、一人ひとり違うもので、
すべての人間にあてはまる法則なんてない、

と私は思っている。

実際、アドラーは、人と人とはわかりあえないものだ、
と思っていた。

しかし、それは決して悲観論ではなくて、
だからこそ、人は人と話をするべきなのです、ということ。
最初からわかりあえるのなら、話をする必要はない。


でも、、

人間には愛があるから、コミュニケーションをとりたがるのか、
コミュニケーションをとることで、愛が生まれるのか。。

なんて考えてしまいそうになったけど、そんなことは、どうでもいい。
どちらも、ありえるのだから。


ちなみに、アドラー心理学で考える幸福とは、

1)自己信頼 :ありのままの自分を受け入れ、
2)他者信頼 :まわりの人間を信頼し、仲間とみなし
3)他者貢献 :仲間から受け取るだけでなく、仲間に対し貢献できること

ということ、なのだけれども、
うーん まあ、わかるんだけど、、 いまいち心に響かない。

あまりにも理想論的というか、ユートピア的というか、宗教的というか。。
リアリティと人間臭さがない、と感じるのは私だけだろうか。


ただ、以下は結構響くものがあった。


クリステンセンがいうように私たちが幸福になることは意外に簡単なことかもしれません。にもかかわらず幸福になることができないとしたらなぜか。。(中略)
世界はシンプルであるにもかかわらずそうは思えないのはなぜか。。
それは私たちが世界は複雑であるという意味づけをしているからです。


「一般的な人生の意味はない。人生の意味は、あなたが自分自身に与えるものだ。」








嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

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  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)

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アドラー 人生を生き抜く心理学 (NHKブックス)

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個人心理学講義―生きることの科学 (アドラー・セレクション)

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  • 出版社/メーカー: アルテ
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  • メディア: 単行本



ところで、冒頭の写真は、記事とは関係ないけれど、
今日みつけたLou写真。

若っ! と、まずは驚くけれど、そのあとに、
なんともいえない、しみじみした感情がくる。

彼がいなくなってしまってから、もう半年以上たつけれど
いまだに、信じられない、っていうか。

彼の存在が、いかに自分の中で大きかったか、ということを
改めて感じている。



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