竜神沼 [奇想・妄想]
石ノ森章太郎の隠れた名作といわれる、竜神沼。
最近初めて知ったものなのですが、その表紙とタイトルだけで
ピンとくるものを感じ、即購入。
泉鏡花を思わせるタイトルですが、中身はぜんぜん違います。
でも、胸を打たれるものがありました。
なにか郷愁をさそうような幻想性が、美しい。
萩尾望都さんが「ポーの一族」を描くにあたり影響を受けたという
「きりとばらとほしと」も収録。
これがまたなかなかいい話。
出だしは、レ・ファニュの名作 「吸血鬼カーミラ」そのままなんで、
これはカーミラの翻案なのかな、と思いきや、全く意外な展開を見せます。
吸血鬼を、忌まわしい妖怪、怪物とは見ずに、
新しい人類、つまり永遠の命を獲得した人類の進化形とする解釈は
全く私が考えもつかなかったことでした。
これはこれで面白い。
それにしても、石ノ森章太郎の絵は、いいですね。
この丸っこくて、生き生きしたキャラ、というのは手塚治虫譲りですが、
キャラクターの目の表現が、彼独自のもので、なにかとてもピュアなものが感じられて
グッとくるものがあります。
このキャラの魅力が、石ノ森マンガの魅力なのではないかと。
石ノ森章太郎といえば、今まで殆ど読んだことがなく、
子供の頃に読んだ、009とかキカイダーといった少年漫画くらいしか記憶にないのですが
これを機に、読んでみるのもいいかと。
2012-04-17 20:20
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